概要
このページでは、ABテストを行うのに必要な、「エクスペリエンス」を作成する手順について説明します。
目次
エクスペリエンスとは
エクスペリエンスの作成方法
エクスペリエンスの4つの設定
エクスペリエンスとは
KaizenPlatformでABテストを行う場合、まずはじめにエクスペリエンスを作成することになります。
エクスペリエンスには、テストを実行したいページのURL、計測するゴール、対象とするデバイス・OS・ブラウザ・Cookieなどを設定することができ、エクスペリエンスで設定した情報をもとにABテストが実行されます。
エクスペリエンスにはどんな情報が設定できるのかについては、下記をご参照ください。
代表的な設定項目 |
説明 |
テスト対象 |
テスト対象としてページ全体を修正するか、または画像差し替えを行うか選択できます。 |
公開設定 |
公開設定を変更することで、Kaizen PlatformのGHに対して投稿案の募集を行うかどうかを設定することができます。 |
テスト対象ページ |
テスト対象ページのURLを登録することができます。URLは完全一致・部分一致・前方一致・正規表現と様々なパターンで設定することができるため、URLが動的に変わるようなページを一括でテストを実行することもできます。 |
実行条件 |
テストを実行する条件を設定することができます。デバイス・OS・ブラウザ・言語・Cookieの値を条件に設定することができます。 |
実行割合 |
テストを実行する割合を設定することができます。ユーザー全体にテストを実行するのではなく、5%のユーザーに対してのみテストを実行するといった割合を設定することができるため、トラフィックの多いサイトでもテストを実行しやすい環境を整えることが可能です。 |
ゴール |
テストごとに計測するゴールを複数を設定することができます。一覧ページでテストを実行する際に、詳細ページ・フォーム・完了ページをゴールに設定して、それぞれの遷移を計測することができます。 |
外部連携 |
Google Analytics/Adobe Analyticsといった外部連携のための設定も行うことができます。 |
エクスペリエンスの作成方法
1. 「エクスペリエンスを作成する」をクリックする
「エクスペリエンス一覧 > エクスペリエンスを作成する」ボタンから、エクスペリエンスの作成を開始することができます。
2. タイトル・対象URL・デバイスを決める
「エクスペリエンスを作成する」ボタンをクリックすると、タイトルやデザインを改善するページ(ABテストを行うページ)のURLや、対象デバイスを設定するフォームが出てきます。
項目を入力したら、「エクスペリエンスを作成する」をクリックすることで、先に進むことができます。
3. エクスペリエンスの設定を行う
次に進むと、エクスペリエンスの設定画面が開きます。
テストに必要な設定を細かく設定することができます。
エクスペリエンスの4つの設定
エクスペリエンスの詳細設定は、基本情報
・ターゲット
・ゴール
・詳細設定
の4つの項目に分類されています。それぞれの設定項目の説明は以下よりご確認ください。
1. 基本情報
「エクスペリエンスの設定 > 基本情報」では、 エクスペリエンスのタイプを選択する、デザイン案を募集するかどうか、PC 向けのページかスマホ向けのページか、 エクスペリエンスの目的を入力する、デザイン素材やオリエンシートの添付するなど、エクスペリエンスの基本的な項目を設定できます。
項目 |
説明 |
タイプ |
- ページ修正(UIエディター)
- ページ全体を改善対象とし、Kaizen Platform のUIエディターで編集して、新しいデザイン案を作成します。
- ページ修正(スプリットURL)
- スプリットURLはページ全体を改善対象に新しいデザイン案を別々の URL で準備して、複数のURLに訪問者を振り分けエクスペリエンスを行います。スプリットURLの場合、グロースハッカーからデザイン案を募集することはできません。そのため、公開設定はプライベートのみ選択可能となります。
- 画像差し替え
- ページ内のバナー画像やメイングラフィックなど、任意の画像を改善します。
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公開設定 |
- オープン(有料)
- Kaizen Platformに登録しているグロースハッカーから多くのデザイン案を集めます。すべてのグロースハッカーに公開されます。
- ターゲティング(有料)
- Kaizen Platformに登録しているグロースハッカーの中でも特定のバッジを持ったグロースハッカーからデザイン案を集めます。
- プライベート
- エクスペリエンスの情報はグロースハッカーに公開されません。「Kaizen Platform の機能を自分で試してみたい」というケースや「自分のチームでデザイン案を作成したい」という場合に設定します。
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対象デバイス |
- PCのみ(又はスマートフォン兼用のレスポンシブデザイン)
- UIエディターを開く際に、PC向けのUIエディターとして開きます。
- スマートフォンのみ
- UIエディターを開く際に、スマートフォン専用のバージョンに切り替わり、スマートフォン上での見え方がエミュレートされます。
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概要 |
- 名前
- 一覧に表示される名前です。内容がわかりやすい形で記入することをお勧めしております。
- 概要
- 詳細ページに表示される概要です。どのようなページか、向上させたい指標は何か、対象デバイスの情報などを記載して、関係者やグロースハッカーに エクスペリエンスの意図を伝えることができます。
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素材・資料 |
- 素材・資料
- デザイン案に利用する画像や素材データ、デザイン作成の方針を伝えるオリエンシートなどを添付します。
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2. ターゲット
「エクスペリエンスの設定 > ターゲット」では、テストの対象となるURLや、UIエディターでデザイン案を作成するときに利用するURL 、テストを実行する条件などを設定することができます。
項目 |
説明 |
デザインを 改善するページのURL |
- 対象のURL
- テストを実施するページのURLを設定します。
URLは1つでも複数でも設定可能です。なお、 ショッピングサイトの商品ページ、不動産サイトの物件ページなどで、URLの一部だけが異なるようなケースでは、正規表現を使うことで、まとめて対象とすることもできます。URLの設定の詳しい説明は 「デザインを改善するページのURL」と「除外する URL」について をご覧ください。
- 除外するURL
- テストを実施しない、「除外するURL」を設定することもできます。
ABテスト対象のページとしては、上記「対象のURL」が優先されるため、テストを実施する対象ページを正規表現などでまとめて設定した上で、一部を例外として除外したい場合にご利用いただけます。
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UIエディターで 読み込むURL |
- UIエディターで読み込むURL
- ここではUIエディターで読み込むURLを指定します。
先述の「デザインを改善するページのURL」は、実際にテストを実行するURLであるのに対し、UIエディターで読み込むURLは、Kaizen PlatformのUIエディターで編集するためだけに指定するURLになります。
テスト対象としたいページのURLが複数存在する場合、一度に全てのページでデザインを確認するために「デザイン案の表示確認が必要な画面パターンが複数存在する場合は、対象URLを追加してください」の欄にデザイン確認したいURLを複数設定することで、デザイン確認を設定したURLで一気に行うことができるようになります。
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実行条件 |
- デバイス・OS・ブラウザ・言語
- ユーザーエージェントからデバイス・OS・ブラウザ・言語を識別してテストを制御します。なお、エクスペリエンス作成時のモーダルにて、対象デバイスを「PCのみ」とした場合は「WindowsPC/IntelMac」が、「スマートフォンのみ」とした場合は「iPhone/Android」がデフォルトで設定されるようになっています。
- カスタム
- Kaizen Platformのカスタムコードで設定した変数を取得し、テストを制御します。URLが同一でページ遷移するフォームなどの場合、input,confirm,thanksといった形で値を設定してご利用いただくこともできます。
- Kaizen閲覧履歴
- Kaizen PlatformのCookieに格納されている値をもとにしたテストの制御ができます。特定のエクスペリエンスの対象になっているページ訪問者をテストから除外する、また特定のエクスペリエンスの対象になっているページ訪問者のみを対象にするといった使い方ができます。
- Cookie(カスタム)
- ページ訪問者のCookieの値を指定してテストを制御することができます。会員IDをCookieに保持している場合など、指定の会員IDに対してテストを制御することなども可能です。
- User Agent
- 設定したUser Agentを識別してテストを制御します。デバイス・OS・ブラウザ・言語以外のUser Agentでも除外する、または対象にする設定が可能です。
- JavaScript変数
- テスト対象のページ内で使用されている変数の値を識別してテストを制御します。URLが同一でページ遷移するフォームなどの場合
- 、input,confirm,thanksといった形で値を設定してご利用いただくこともできます。
- ユーザー属性
- ユーザー毎に任意の値を付与し、それを条件にテストを制御します。
- 詳しくは Customer Datastore ユーザー属性の設定と取得 をご参照ください。
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実行条件(Audience設定) 設定方法詳細は 実行条件 オーディエンス設定機能を使う の記事をご確認ください。 |
- 訪問回数
- 訪問ユーザーが設定した訪問回数条件にマッチしたユーザーであれば、実行されます。例えば、訪問回数「1回」 +「 等しい」に設定すると初回訪問者のみをターゲットにエクスペリエンスを実行することができます。
- リファラーURL
- 訪問ユーザーが指定したページURLから流入して来たユーザーであれば、実行されます。
- 時間帯指定
- ユーザーが指定した時間帯に訪問したときに、実行されます。
- 曜日指定
- ユーザーが指定した曜日に訪問したときに、実行されます。
- 日にち指定
- ユーザーが月毎の指定した日付指定期間中に訪問したときに、実行されます。
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3. ゴール
「エクスペリエンスの設定 > ゴール」では、ページの訪問やクリックの発生など、このエクスペリエンスで計測したいアクションを設定します。
エクスペリエンスのゴール設定は、すでに作成したゴールを紐付ける設定となります。
新たにゴールを作成する方法は ゴールを作成/管理する をご参照ください。
項目 |
説明 |
ゴール設定 |
- 計測ポイントの追加
- エクスペリエンスに対して1つ以上のゴールを設定することができますが、計測ポイントの追加を押すことで計測するゴールの数を増やすことができます。
- メインゴール
- メインゴールは有意差の判定とラウンドの勝敗を決定する基準として利用します。その他のゴールの情報はレポート画面から確認することができます。
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4. 詳細設定
「エクスペリエンスの設定 > 詳細」では、エクスペリエンスの実施割合、外部ツールとの連携(Adobe Analytics / Google Analytics など)、セッション維持時間の設定、有意差の判定に利用する信頼度の指定などの詳細な設定ができます。
項目 |
説明 |
実施割合 |
実施割合すべての訪問者に対してエクスペリエンスを実施せず、一定の訪問者に対してのみテストを実施することが可能です。例えば実施割合 を60%と設定すると、ページ訪問者のうち、10人中6人を対象にテストが実施されます。対象外となった訪問者に対しては、元のページがそのまま表示されます。 |
外部サービス連携 |
- Adobe Analytics連携
- Kaizen PlatformのAdobe Analytics連携用コードを設定した上で、チェックボックスを入れ、変数を設定します。設定方法は Adobe Analytics連携のページをご確認ください。
- Googleアナリティクス連携
- Kaizen PlatformのGoogleユニバーサルアナリティクス連携用コードを設定した上で、チェックボックスを入れ、変数を設定します。設定方法は Googleユニバーサルアナリティクス連携 のページをご確認ください。
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セッション維持時間の設定 |
- セッション維持時間の設定
- デザインを改善するページのURLにアクセスしたときにスタートするセッションの時間を設定することができます。
Kaizen Platformではセッションが維持されている時間内に発生したコンバージョンが計測対象となります。 なお、デフォルトのセッション維持時間は12時間で設定されており、設定可能な時間は0時間0分から23時間59分まで設定可能です。 0時間0分を指定した場合は、セッションの維持時間が設定されず、訪問者のブラウザが開いている限りセッションが継続されます。(ページの更新やタブを閉じるだけであればセッションは続いています。) テスト対象ページに関わらず、同一ドメイン内のページにアクセスするとセッション維持時間は更新されます。
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信頼度 |
- 信頼度
- 有意差の判定を信頼できる度合いです。95%の場合は「100回計測したうち、95回は許容できる誤差の範囲内に収まる程度」の信頼度となります。信頼度を低くすると有意差の判定が完了するまでの期間が短くなります。設定可能な範囲は60%から99.9%までとなります。
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均等配信 |
- 均等配信
- チェックを外すことにより、有意差がついた後に、スコアに応じて表示比率が変わります。
デフォルトでは、有意差がついた場合も均等に配信が行われるようになっています。 ただし、均等配信は厳密に訪問数を均等にするものではございません。デザイン案が4パターンある場合、1/4の確率で表示されるというロジックになるため、多少の訪問数のバラつきが発生することはございます。
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JavaScriptコードの制限 |
- JavaScriptコードの制限を解除する
- KaizenPlatformでは、UIエディターに一部のJavaScriptコードの制限がついていますが、チェックを入れることで、デザイン案で使えるJavaScriptコードの制限を解除することができます。
これによって、デフォルトでは制限されているwindowオブジェクトやdocumentオブジェクトなどを利用できるようになります。
- ※グロースハッカーや組織に所属していないユーザーに向けても解除されます。
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エクスペリエンススクリプト |
- エクスペリエンススクリプト
- テスト実行条件で分岐することが難しいほど細かい条件分岐を行いたい場合や、オリジナルを含めた全てのデザイン案にデザインを反映させたい場合などに有効な機能になります。
- 利用時の注意点
- - エクスペリエンススクリプトで条件分岐や実装を行う場合は、JavaScriptの記述が必要です。
- - エクスペリエンススクリプトでテスト実行を分岐した場合、同一のページでテストを行っていても分岐設定を行っているテスト以外のテストは実行されません。
- - エクスペリエンススクリプトは、「ページ修正(スプリットURL)」 の設定を行っていると動作しません。
- - エクスペリエンススクリプトに記述したJavaScriptは、エクスペリエンスが実行されるページにてKaizen対象外ユーザー・オリジナル案・デザイン案全てに実行されます。
思わぬ不具合に繋がる可能性がありますので、十分に動作確認をしてから記述をしてください。 なお、ご利用は自己責任にてお願いいたします。
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